サングラスもネイルも、彼らしさ。安田章大が髄膜腫を経てたどり着いた「普通って何?」という人生観

ライフハック

2026年7月17日に放送されたNHK『あさイチ』のプレミアムトーク。ゲストとして登場した安田章大さんの、やわらかな語り口と、ふとした言葉に宿る優しさに、思わず画面の前で見入ってしまった方も多いのではないでしょうか。青いサングラス、そして少し剥げたネイル。一見おしゃれのように見えるそのふたつには、彼が長い時間をかけてたどり着いた「生き方そのもの」が詰まっていました。この記事では、安田章大さんという人の「彼らしさ」を、改めて一緒にたどってみたいと思います。

ちわわん
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ちょうどリアタイで「あさイチ」に出ている安田さんを見ることができました。私は安田さんについてあまり知らなかったのですが、この時からファンになってしまいました。

まず、安田章大さんってどんな人?

安田章大さんは、1984年9月11日生まれ、兵庫県出身。人気グループSUPER EIGHT(旧・関ジャニ∞)のメンバーで、グループではおもにギターを担当しています。2004年にシングル『浪花いろは節』でCDデビューし、2024年にはデビュー20周年を迎えました。

音楽だけでなく、俳優としての活躍も見逃せません。ドラマ『夜行観覧車』(2013年・TBS)や映画『嘘八百 なにわ夢の陣』(2023年)などに出演し、近年はとりわけ舞台俳優としての評価が高まっています。『俺節』『少女都市からの呼び声』など数々の舞台に立ち、その独特の存在感と表現力で観る人を惹きつけてきました。多才で、そして何より人間味にあふれている。それが安田さんの魅力です。

トレードマークの「青いサングラス」に隠された理由

安田さんといえば、いまや青いサングラスが印象的なトレードマークになっています。けれどそれは、単なるファッションではありません。

安田さんは2017年に、脳腫瘍の一種である「髄膜腫(ずいまくしゅ)」を患い、開頭手術を受けました。手術から時間が経った今も後遺症と付き合いながら日々を過ごしていて、そのひとつが「光過敏」です。強い日差しや撮影現場の照明などの光を浴びると、吐き気やめまい、立ち眩みといった不調が起きることもあるといいます。その眩しさから自分を守ってくれるのが、サングラスなのです。

安田さんはこのサングラスを「身体の一部」と表現しています。そして同じように光に苦しむ人へ向けて、「眩しかったら色付きメガネを掛けて良いんだよ」というメッセージを発信し続けてきました。2025年にはアイウェアブランド「GROOVER」とのコラボサングラスも手がけ、「掛けることで“色眼鏡”で見られることもあるかもしれない。だけど光過敏を抱えている人にとって、色付きのメガネはなくてはならないもの。光がつらかったら、もう我慢はしないでほしい」と語っています。

自分を守るためのもの。でも、それを「ファッションとして楽しむことも大事」だと考える。つらさを引き受けながらも、そこに前向きな遊び心を添えてしまう。そのバランス感覚こそ、安田さんらしさなのだと思います。

剥げたネイルを直さない、彼なりの美学

『あさイチ』でとりわけ話題になったのが、ネイルの話でした。バラエティ番組でネイリストに扮したことをきっかけに、カラフルなネイルも安田さんのトレードマークのひとつになっています。

番組で視聴者から「安田さんのネイル、かわいいですね。見せてください」というメッセージが寄せられると、安田さんは笑顔でカメラにネイルを向けてくれました。その日のネイルはネイビーとオレンジの2色使い。でもよく見ると、右の人差し指は完全に剥がれていて、ほかの爪もところどころ色が落ちています。

鈴木奈穂子アナウンサーが「普通は剥がれてくると、ちょっと嫌なのでしないとか」と話すと、安田さんはこう答えました。「剥がれていくのとか、削れていくのが好きで。それが生き物っぽいと言いますか」。そして、「こういうふうになっていくのも、寛容的に受け止められるような男性陣になれたらな」と続けたのです。

鈴木アナは「すごい。その発想初めて」と驚き、博多大吉さんも「ネイルひとつにもいろんな価値観が。いい、悪い、でなくてね」と感心していました。ご覧になっていた方は、あの場の空気がふっとあたたかくなった瞬間を覚えているかもしれません。

SNSでも反響は大きく、「剥がれてるのはそういうことやったんかぁ」「剥がれたネイルさえも人間らしさを感じる安田章大はどれだけ聖人なのか」といった声が広がりました。完璧に整えることよりも、変わっていく様子をそのまま慈しむ。そのまなざしに、多くの人が心を動かされたのです。

ちわわん
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この安田さんの話を聞いた時に、すごく感動してしまいました。いろんな痛みや悲しみを乗り越えてきたからこそ言える言葉なんだろうなと思いました。

2017年、髄膜腫(ずいまくしゅ)との闘い

サングラスの理由でも触れたように、安田さんの人生には大きな転機がありました。2017年、髄膜腫が判明し、腫瘍を摘出する開頭手術を受けたのです。その後も光過敏をはじめとする後遺症と向き合いながら、活動を続けてきました。

大きな病を経験するというのは、想像を絶することだと思います。それでも安田さんは、その経験を「ただの試練」で終わらせませんでした。むしろ、そこから自分の価値観を編み直し、同じように苦しむ人へ手を差し伸べる側へと歩みを進めていったのです。サングラスもネイルも、そのまなざしの延長線上にあるのだと考えると、ひとつひとつの言葉の重みが違って感じられます。

ちわわん
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番組内で安田さんに視聴者から、同じ髄膜腫で手術を受けるのが不安というメッセージに対しても、当事者だから言える優しい率直な言葉を返していました。

「普通って何?」──病を経てたどり着いた人生観

安田さんが繰り返し投げかける問いがあります。それは、「普通って何?」というものです。

2026年8月28日に公開される映画『平行と垂直』に寄せたコメントの中で、安田さんはこう綴っています。「街中では誰かがこんなことを口にします。“普通は〜…” いったい誰が定めた普通なのでしょうか」。そして、「“誰かが言う普通は、とある誰かにとっては異常” “誰かが言う異常は、とある誰かにとっては普通”」と続けました。

大切なのは、自分の中にまだなかった言動を受け止める力だと、安田さんは言います。人の成長の速度はそれぞれ違う。生まれ落ち方が少し違っただけ。それなのに、私たちはつい「安心材料になる普通」で誰かを判断してしまう──。そんな気づきを、彼はやわらかく、けれどまっすぐに差し出してくれます。

剥げたネイルを「生き物っぽい」と愛おしむ姿も、光過敏を隠さずサングラスをかけて「我慢しないで」と伝える姿も、すべてはこの人生観から地続きにつながっています。整っていなくてもいい。人と違ってもいい。そのままのあなたに「味方だよ」と言ってくれる。安田さんの生き方そのものが、そのメッセージなのです。

ちわわん
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「普通」って何気に言ってしまう言葉だけど、でも「普通」って何を基準にしているんだろうと、改めて考えさせられました。

その価値観は、映画『平行と垂直』へ 

そして今、この人生観がひとつの作品として結実しようとしています。映画『平行と垂直』です。

この作品で安田さんは、自閉スペクトラム症(ASD)の兄・大貴役を演じ、俳優ののんさんとW主演を務めます。妹の希(のぞみ)を支えに生きてきた兄妹の、静かであたたかな物語です。注目すべきは、安田さんが出演者としてだけでなく、企画の立ち上げから関わっていること。劇団ふくふくやを主宰する山野海さんのオリジナル脚本に感銘を受けた安田さんが、旧知のプロデューサーに映画化を持ちかけたことから、この企画は動き出しました。

役作りのため、安田さんはASDの専門家のレクチャーを何度も受け、特性を持つ人たちが通う教育機関を訪れて交流を重ねたといいます。約2年をかけて、専門家の監修のもと丁寧に作り上げられた作品です。「普通とは何か」という映画のテーマは、まさに安田さんが生きてきた道そのもの。彼のこれまでのすべてが、この一本に注ぎ込まれていると言っても大げさではないでしょう。

おわりに サングラスもネイルも安田章大さんらしさを表している

サングラスも、剥げたネイルも、「普通って何?」という問いも、そして映画『平行と垂直』も。安田章大さんのすべては、一本の線でつながっています。その根っこにあるのは、病を経てたどり着いた「そのままの自分を、そのままの誰かを、慈しむ」という優しいまなざしです。

『あさイチ』でこぼれたあの笑顔を思い出すと、彼が言葉だけでなく、生き方そのもので「味方だよ」と伝えてくれているのが分かります。剥がれていくものさえ愛おしむ人だからこそ、私たちも安心して、自分のままでいられる。安田章大さんという人に、また少し親しみが湧いてきませんか。8月28日、映画館でそのまなざしに触れられる日が、今から待ち遠しいですね。

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