「哺乳瓶の先みたいな白い部品で、真空パックのお米が半年間も新米のままになるらしい」――そんな信じられない話を耳にしたのは、テレビ東京系列の番組『アンパラレルド~ニッポン発、世界へ~』の放送です。
しかも、この技術のルーツがNASAのアポロ計画にあると聞いて、思わず二度見してしまいました。ロケットを宇宙に飛ばすために生まれた技術が、どうして私たちの食卓に関係するの? わずか数センチの小さな「逆止弁」が、年間464万トンにもおよぶ日本の食品ロスをどう変えるの? 気になることだらけです。
この技術を社会に届けようとしているのが、インターホールディングスの代表取締役・山口翔さん。マーケティングリサーチ大手のマクロミル、キュレーションメディアantenna*、冷凍パンのサブスクで知られるパンフォーユーと、異色のキャリアを歩んできた方です。自ら技術を発明するのではなく、「価値ある埋もれた技術を社会実装する」という独自のアプローチで食品ロスゼロに挑む、いわば”技術の目利き”のような存在。一体どんな想いでこの事業に人生を賭けているのか、とても興味がわきます。
この記事では、2026年5月13日放送の『アンパラレルド』で特集される逆止弁の真空技術について、番組情報や公式発表をもとに、主婦の目線でわかりやすくまとめてみました。「本当にそんなすごい技術なの?」「家庭でも簡単に使えるの?」「どこで買えるの?」といった疑問にもお答えしていきますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
『アンパラレルド』5月13日放送回の概要――テーマは「わずか数センチの白い逆止弁」
2026年5月13日(水)夜23時06分から、テレビ東京系列で放送される『アンパラレルド~ニッポン発、世界へ~』。この日のテーマは「わずか数センチの”白い逆止弁”で、食品ロスを防ごうと奮闘する人たち」です。
番組タイトルの「アンパラレルド」とは、英語で「比類なきもの」という意味。MCを務めるのはオードリーの若林正恭さんで、毎回、常識を超え続ける挑戦者たちと熱い対話を繰り広げています。2026年4月8日にスタートしたこの番組は、毎週水曜の深夜枠ながら、日本発の技術や挑戦にスポットを当てる内容が話題を集めています。
今回のゲストは、東京・渋谷区にあるスタートアップ「インターホールディングス」の山口翔社長。番組では、見た目が「まるで哺乳瓶の先」のような白い逆止弁が紹介され、この小さな部品がどうやって食品ロスという大きな社会問題に立ち向かうのか、その全貌が明かされます。
日本の食品ロスの現実――年間464万トンが捨てられている
まず知っておきたいのが日本の食品ロスの深刻さです。環境省が公表した令和5年度の推計によると、日本の食品ロスの発生量は年間約464万トン。このうち家庭系が約233万トン、事業系が約231万トンとなっています。国民ひとり当たりに換算すると、年間約37キログラムもの食べ物を捨てている計算になるそうです。
主婦としては、この数字は本当にドキッとします。「安いから」「すぐ食べきれる」「もったいない」と思いながらも、つい買いすぎてしまったり、冷蔵庫の奥で食材をダメにしてしまったり。誰にでも心当たりがあるのではないでしょうか。
神奈川の食品リサイクル工場で目にした「欠品を恐れる」社会の裏側
番組冒頭では、神奈川県にある食品リサイクル工場の取材映像が紹介されます。そこには、まだ食べられそうなご飯やパン、麺がたくさん捨てられ、豚の飼料などに加工されている光景が映し出されるとのことです。
なぜこんなに食べ物が余ってしまうのでしょうか。
スーパーやコンビニが必要以上に作り続ける構造的な問題
番組によると、その大きな原因のひとつが「欠品」への恐怖です。スーパーやコンビニの棚に商品がなくなることを恐れるあまり、必要以上にお弁当やおにぎりを作ってしまう。売れ残ったものは廃棄される。この構造が、日本の食品ロスを生み出し続けているのだそうです。
私たち消費者にとっては「いつでも棚に商品がある」のが当たり前になっていますが、その裏側でこれだけの食品が捨てられていると思うと、とても複雑な気持ちになります。
インターホールディングスとは「価値ある埋もれた技術を社会実装する」スタートアップ
こうした食品ロス問題に立ち向かうのが、今回のゲストであるインターホールディングスです。
2019年設立、東京・渋谷区に拠点を置くクライメートテック企業
インターホールディングスは2019年3月に設立されたスタートアップ企業で、本社は東京都渋谷区恵比寿にあります。掲げているミッションは「価値ある埋もれた技術を社会実装する」というもの。つまり、自分たちで技術をゼロから開発するのではなく、すでに存在しているけれどまだ世の中に広まっていない優れた技術を見つけ出して、実際に社会で使えるようにすることを目指している会社です。
この発想自体がとてもユニークで、日本には素晴らしい技術がたくさん眠っているのに活用されていないという現実を考えると、とても意義のある取り組みだと感じます。
経済産業省「J-Startup」第5次選定企業に選ばれた実力
インターホールディングスは2025年3月、経済産業省が運営するスタートアップ支援プログラム「J-Startup」の第5次選定企業に選ばれています。J-Startupは、グローバルに活躍するスタートアップを創出するために2018年に立ち上げられたプログラムで、選ばれるのは実績あるベンチャーキャピタリストや大企業の新事業担当者から推薦を受けた企業に限られます。国のお墨付きをもらっているようなものですから、技術やビジネスモデルの確かさがうかがえます。
東洋経済「すごいベンチャー100」にも選出
さらに、東洋経済オンラインの「すごいベンチャー100 2025年最新版」にも選出されています。真空率99.5%の逆止弁で食品の鮮度維持に取り組む企業として紹介されており、メディアからの注目度の高さがわかります。
山口翔社長とは何者?マクロミルからantenna*、パンフォーユーを経て食品ロスゼロへ
番組でゲストとして登場する山口翔さんは、インターホールディングスの代表取締役です。ここでは、山口さんがどのようなキャリアを歩んできた方なのかをまとめてみます。
神戸大学工学部卒、マクロミルで法人営業と人事を経験
山口さんは2009年に神戸大学工学部を卒業後、マーケティングリサーチ大手のマクロミルに新卒で入社されています。ここで法人営業と人事を経験し、ビジネスの基礎を築かれたそうです。
グライダーアソシエイツで上席執行役員CMO、antenna*事業を統括
2015年にはグライダーアソシエイツに転籍し、キュレーションメディア「antenna*」の広告事業を立ち上げました。その後、上席執行役員CMO(最高マーケティング責任者)として事業全体の統括や、新規事業「craft.」の立ち上げも担当されています。
パンフォーユー取締役を経て2022年にインターホールディングスへ参画
2018年頃から、冷凍パンのサブスクリプションサービス「パンスク」を展開するパンフォーユーをサポートし始め、2020年8月に取締役に就任。その後、2022年5月には一般社団法人フローズンエコノミー協会を設立し、冷凍技術を活用した新たな経済圏の構築にも取り組まれました。
そして2022年10月、インターホールディングスに正式参画し、取締役COOに就任。2025年7月に共同代表制へ移行したタイミングで代表取締役となっています。
一般社団法人食品ロスゼロテクノロジー協会の代表理事も兼任
山口さんは現在、インターホールディングスの代表取締役に加えて、一般社団法人食品ロスゼロテクノロジー協会の代表理事も兼任されています。マーケティングやメディアの世界で培った「良いものを見つけて届ける力」を、食品ロスという社会課題の解決に注いでいる方、という印象です。
アポロ計画から食卓へ――「まるで哺乳瓶の先」の逆止弁が生まれた経緯
番組でもっとも驚かされるのが、この逆止弁の技術的ルーツです。なんと、あのNASAのアポロ計画にまで遡るのだそうです。
NASAアポロ計画のロケット油圧器に使われた技術がルーツ
インターホールディングスの真空技術は、NASAのアポロ計画でロケットの油圧機器に使われた技術を応用して作られたものです。宇宙空間という極限の環境で使われた技術が、形を変えて私たちの食卓を守る道具になっているという事実には、本当に驚かされます。
千葉県茂原市の発明家が15年かけて開発した真空特許技術
この技術を民間用に応用・開発したのが、千葉県茂原市在住の発明家・萩原忠さんです。萩原さんはNASAのアポロ計画にも参画されていた方で、ロケットの油圧器の技術から着想を得て、15年の歳月をかけて民間用の真空パック技術を開発されました。
約493件の特許を持つ発明家からインターホールディングスが技術を継承
萩原さんは約493件もの特許を取得している日本を代表する発明家のお一人です。2022年末に、萩原さんが代表を務めるハジー技研株式会社からインターホールディングスへ真空特許技術が譲渡・継承されました。素晴らしい技術を次世代に託すという決断も、この物語を感動的なものにしています。
番組で「哺乳瓶の先のよう」と表現されているのは、この逆止弁の見た目のこと。宇宙開発から生まれた最先端技術でありながら、手に取ると拍子抜けするほど小さくてシンプルな形をしているのだそうです。
真空率99.5%の真空包装!一般的真空容器約80%との違い
「真空率99.5%」と言われても、普段の生活ではなかなかピンとこないかもしれません。でも、一般的な真空パックの真空率がおよそ80%前後だと聞くと、その差の大きさがわかります。
一度抜いた空気が逆流しない「ドーム型逆止弁」の仕組み
この技術の核となっているのが、「ドーム型シリコン弁」と呼ばれる特許取得済みの逆止弁です。この弁があることで、一度抜いた空気が容器の中に逆流しない構造になっています。布団圧縮袋を使ったことがある方ならわかると思いますが、時間が経つと空気が入ってきてしまいますよね。この逆止弁はそれを防ぐことができるのです。
インターホールディングスの公式情報では、この真空率99.5%は「超高真空」と呼ばれるレベルで、大気圏を突破した宇宙空間と同じ状況で食べ物を保存できるとされています。
電気不要・手動で誰でも簡単に真空化できる手軽さ
もうひとつ嬉しいのが、電気を使わずに手動で真空にできるという点です。液体の場合は上に残った酸素を押し出すだけ、固体の場合は付属のポンプを10回ほど引くだけで簡単に真空状態を作れるそうです。特別な機械が要らないので、家庭でも飲食店でも手軽に使えます。
番組でMC若林正恭が実演して見せた「これだけ?」の簡単さ
番組のスタジオでは、若林さんが実際にお米を真空パックにする作業を実演するそうです。誰でも簡単にできるということが、若林さんの実演を通じてリアルに伝わるのが楽しみなポイントです。番組の事前情報によると、「誰でも簡単にできる」のがこの逆止弁の最大の”売り”とのことです。
お米が半年間「新米」のまま!?その保存効果と製品について
では、真空率99.5%で保存すると、実際にどれくらい食品が長持ちするのでしょうか。インターホールディングスの公式情報から、具体的な保存効果をまとめてみます。
お米は半年以上新米状態をキープ、常温でもコクゾウムシが死滅
お米の場合、この真空パックに入れると半年以上にわたって新米のような状態を保てるそうです。さらに、真空率が高いため常温保管でもコクゾウムシが死滅するとのこと。お米の保存に悩んでいる方には、かなり魅力的ではないでしょうか。精米後のおいしさを最大1年間キープできるという情報もあり、お米好きの我が家にとっては気になる製品です。

お米につく虫がなくなるなら、お米の保存がすごく楽になるじゃん!
オリーブオイルは約10カ月酸化せず風味を維持
オリーブオイルの場合は、約10カ月間酸化せずに風味を保てるそうです。料理好きの方ならご存知だと思いますが、オリーブオイルは開封後どんどん酸化が進んでしまいます。良いオイルを買っても使い切れずに風味が落ちてしまう、というのはよくある悩みです。
ワインは開栓後約1カ月間フレッシュな状態を保つ
ワインの場合は、真空容器に詰め替えることで開栓後約1カ月間、味の変化を防ぐことができるとされています。ワインを1本開けても飲みきれないという方には嬉しい話です。日本酒にも同様に使えるそうで、お酒が好きなご家庭にもぴったりです。
製品一覧――shin-ku BOTTLE、真空ライスキーパー、Vie-de Vin、防災用真空給水バッグ
インターホールディングスの真空製品ブランドは「shin-ku」という名前で展開されています。主な製品をご紹介すると、液体用の「shin-ku BOTTLE(真空ボトル)」、お米やコーヒー豆など固体用の「shin-ku RICE KEEPER(真空ライスキーパー)」、ワイン保存に特化した「Vie-de Vin(ヴィドヴァン)」、そして防災用の「真空給水バッグ」などがあります。
防災用の真空給水バッグは、通常3日間しか常温保存できない飲用水を2カ月間新鮮に保てるという製品で、災害への備えとしても注目されています。公式オンラインショップのほか、Amazonや楽天市場でも購入できるようです。
飲食店・酒蔵への導入が進む「蔵出し真空酒」サービス
インターホールディングスの真空技術は、家庭用だけでなく業務用にも展開が進んでいます。
約60蔵・200銘柄以上の日本酒と連携、2026年から本格スタート
2026年から本格的にスタートした「蔵出し真空酒」サービスは、酒蔵で直接真空容器に充填したフレッシュな日本酒を、真空のままお店で提供できるというものです。現在、約60の酒蔵と連携し、200を超える銘柄の日本酒が対象となっています。
ホテルや飲食店での真空サーバーによる量り売りが可能に
「shin-ku SERVER(真空サーバー)」という製品を使うことで、ホテルや飲食店で日本酒の量り売りや試飲サービスが可能になります。蔵でしか味わえなかった出来立ての味を、お店でそのまま楽しめるというのは、日本酒ファンにとって夢のような話です。特に生酒のようにデリケートなお酒も、冷蔵環境で真空保存することでフレッシュな状態で提供できるそうです。
「ニッポン発、世界へ」真空技術を海外展開
番組タイトルにもある「ニッポン発、世界へ」の通り、インターホールディングスは海外展開にも積極的です。東洋経済オンラインの記事によると、インド企業への特許ライセンス付与も行われていることが報じられています。
また、佐川急便との協業プログラム「HIKYAKU LABO 2023」を通じて、真空技術を活用した食品輸出の取り組みも進められています。お米を従来の冷蔵配送ではなく常温で輸送できるようになるなど、物流コストの削減とCO2排出量の削減を同時に実現する可能性が見えてきているそうです。
日本酒の輸出容器としても活用が始まっており、瓶と比べて輸送コストとCO2を30%削減できるという声が酒蔵から上がっているとのこと。小さな逆止弁から始まった技術が、世界の食品物流を変えようとしていると思うと、なんだかワクワクします。
まとめ――「捨てる」から「守る」へ、逆止弁が変える食品ロスの未来
「まるで哺乳瓶の先」のような小さな白い逆止弁。その技術のルーツはNASAのアポロ計画にあり、発明家・萩原忠さんが15年かけて開発し、インターホールディングスの山口翔さんたちが社会実装に挑んでいる。そんな壮大なストーリーが、5月13日の『アンパラレルド』で紹介されます。
主婦の身としては、「お米が半年間新米のまま」「オリーブオイルが10カ月酸化しない」という言葉に、早くつかってみたい!というのが率直な感想です。電気も専用機械も要らず、手動で誰でも簡単に使えるという手軽さも、忙しい毎日を送るなかで、食品を無駄にしたくないと思う家庭にはありがたいポイントです。
「捨てる」しかなかった暮らしから、「鮮度を守って最後まで使い切る」暮らしへ。わずか数センチの逆止弁が、私たちの食卓と社会を少しずつ変えていく。そんな未来が、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。


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