【田川】一旦閉店する清水夫妻の想いとは?イタリアン喫茶『蘭和(らんか)』のランチとケーキが食べたかった!

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「いつか絶対に行こう」——そう思っていたお店ほど、なぜか後回しにしてしまうものです。福岡県田川市の国道201号線沿いにある喫茶レストラン『Benvenuto 蘭和(らんか)〜capitolo due〜』も、私にとってまさにそんな存在でした。昭和レトロな喫茶店の空気の中で、イタリア帰りのご夫婦が作る本格イタリアンが味わえる——そんな噂を聞くたびに「近いうちに」と思っていたのに。

気づけばSNSに流れてきたのは、「2026年7月26日、一旦閉店」の知らせ。行きたかったお店の閉店を知ったときの、あの胸がすっと沈むような感覚。同じ気持ちの人は、きっと少なくないはずです。

でも、調べていくうちに分かったのは、この「閉店」がただの終わりではなかったということ。今回は、行けなかった悔しさをかみしめつつ、それでも前を向くご夫婦の想いと、蘭和が愛され続けた理由、そして食べておきたかった人気メニューをたっぷりご紹介します。

「Benvenuto 蘭和(らんか)」とはどんなお店?創業50年の歴史

蘭和があるのは、田川市川宮、国道201号線沿い。車で通りかかると、どこか懐かしいレトロな佇まいが目に留まります。駐車場も広く出入りしやすいため、ドライブがてら立ち寄る人も多いお店でした。

「Benvenuto(ベンヴェヌート)」はイタリア語で「ようこそ」の意味。「capitolo due」は「第二章」を表します。つまり店名そのものが「ようこそ、蘭和の第二章へ」というメッセージになっているのです。

このお店のルーツは、昭和51年(1976年)にさかのぼります。オーナー・清水陽平さんのお父様が創業した喫茶店で、実に43年間もの長きにわたり地元に愛されてきました。そして2026年、めでたく創業50周年。半世紀にわたって同じ場所で営業を続けるということが、どれほど並大抵でないかは、飲食店に少しでも縁のある人なら想像がつくと思います。純喫茶時代を思わせるランプや内装は今も残り、その空間に足を踏み入れるだけで、時間がゆっくり流れるような感覚を味わえるといいます。

イタリアで出会った清水夫妻が受け継いだ「第二章」

蘭和を語るうえで欠かせないのが、現在の店主である清水陽平さんご夫妻の物語です。

洋服が好きでイタリアに渡った陽平さんと、ティラミスなどのお菓子に惹かれてイタリアで過ごしていた奥様。二人は現地のレストランで2年間ともに働いたことがきっかけで出会いました。まさに「イタリアで生まれた縁」から始まったご夫婦なのです。

帰国後、お父様が43年間守り続けた喫茶店を引き継ぐことになったとき、奥様はこう振り返っています。

「私はレトロなものが好きで、ヨーロッパのヴィンテージものとかも好きなんです。この店内の昭和レトロな雰囲気って、なかなかないじゃないですか。壊すのももったいないなと思って」

先代が築いた昭和の空気をあえて残し、そこにイタリアで培った本物の技術を重ねる。この新旧の融合こそが、蘭和の唯一無二の個性を生み出しました。約7年前、こうしてお店は「第二章(capitolo due)」として生まれ変わったのです。

昭和レトロ×本格イタリアン!蘭和で食べたかった人気メニュー

さて、行けなかった私が何より悔やんでいるのが、この多彩なメニューたちです。蘭和が掲げていたコンセプトは、なんと「打倒ファミレス」。定食、和食、パスタ、ピザ、グラタン、ドリア、そしてデザートまで、驚くほど幅広く揃っていました。ここでは特に評判だったメニューを紹介します。

まかないから生まれた伝説のパスタ

数あるパスタの中でも語り草になっているのが、エビとホタテとヤリイカを使ったたらこクリームパスタ。実はこれ、もともとスタッフのまかない用に作られていたものが、あまりの美味しさに正式メニュー入りしたという逸品です。パスタの真ん中にたらこがたっぷり盛られた状態で運ばれ、自分で絡めながらいただくスタイル。たらこの濃厚さを自分好みに調整できる楽しさもあり、多くのファンを生みました。作り手の遊び心と愛情が詰まった一皿、食べてみたかった……。

奥様念願の看板メニュー「ペスカトーレの包み焼き」

SNSでもたびたび話題になっていたのが、ペスカトーレの包み焼き。奥様の強い希望で生まれたメニューです。「ペスカトーレ」はイタリア語で「漁師」の意味。魚介たっぷりのトマトソースパスタを、薄いピザ生地でまるごと包んで焼き上げた豪快な一皿です。イタリアでは主流の料理とのことで、パイ包みのパスタというインパクトある見た目は、初めて見る人を必ず驚かせたそうです。トマトソースは玉ねぎの甘みを活かしたシンプルな味付けで、日本の客層にも合わせた工夫が光ります。

ネーミングも楽しい「男前ランチ」「ベッピンランチ」

蘭和のランチを語るなら、この2つは外せません。ボリューム満点の「ガツンと男前ランチ」と、少しずつ色々楽しめる欲張りな「ベッピンランチ」。ユニークなネーミングと良心的な価格で、リピーターを次々に生み出してきた看板ランチです。

特にベッピンランチは、日替わりメインに彩り豊かな副菜、人気のスパゲティ、スープ、そしてプチデザートまでワンプレートに詰め込んだ贅沢な内容。季節ごとにアイシングクッキーが添えられるなど、見た目にも楽しい演出が女性を中心に大人気でした。なお価格は毎年見直されており、近年では男前ランチが980円前後、ベッピンランチが1,200円前後で提供されていたようです(時期により変動します)。

先代から受け継いだ「変わらない味」

新しいイタリアンメニューが並ぶ一方で、先代から受け継がれた味もしっかり生きていました。ポークステーキやしょうが焼きのタレは「親父のレシピを今風に変えただけ」なのだとか。ナポリタンやオムライス、焼きカレー、ドリアといった昔ながらの喫茶店メニューも健在で、三世代で訪れる家族が「それぞれ好きなものを頼める」のも蘭和の強みでした。

ちわわん
ちわわん

イタリアンから食堂メニューまで、バラエティに富んだメニューが来る人を飽きさせず、どれも絶品級に美味しいとは、本当に行きたかった!

見逃せない!奥様手作りのケーキとスイーツの世界

ランチと並んで、私が悔しくてたまらないのがスイーツです。奥様はもともとお菓子好きが高じてイタリアに渡ったほどの方。その手作りケーキは、蘭和のもう一つの主役でした。

特に水・土曜日(時期により水・土・日)は、通常メニュー以外の自家製ケーキが登場する特別な日。田川市「暖家のいちご」のあまおうをぜいたくに使ったあまおうタルトは、レアチーズクリームと大牟田産の生クリームを重ねた2層仕立てで、コク深いクリームと甘酸っぱさの調和が絶品と評判でした。濃厚な2種のチーズを使ったチーズケーキや、ずっしりしたガトーショコラも定番の人気。ドリンクとセットにできるほか、ホールでのお持ち帰りやパウンドケーキ、タルトの予約販売にも対応していました。

そして何より愛らしいのが、デザートに添えられるクッキー。フレンチブルドッグや猫をかたどったアイシングクッキーは、思わず写真を撮りたくなる可愛さ。実はご夫婦は犬の保護活動にも取り組んでおり、そんな動物への愛情がこうした演出にもにじんでいたのかもしれません。不定期でアイシングクッキー教室が開かれることもあったそうです。

ちわわん
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奥さんのかおるさんが作るティラミスが食べたかった!らんかのティラミスはかおるさんがイタリアでホームステイしていたお家の味がベースになっているらしいですよ。

なぜこんなに愛された?蘭和が人気店になった3つの理由

行けなかった私がここまで惹かれるのには、理由があります。蘭和が地元だけでなく県外からも客を集めた背景を、3つの視点から整理してみます。

第一に、徹底した手作りと地産地消へのこだわりです。ドレッシングもソースもすべて手作り。食材は地元の農家や道の駅から直接仕入れ、「生産者の顔がわかるものを使いたい」という奥様の想いが貫かれていました。選ぶ基準はシンプルに「自分たちが食べて美味しいもの」。この誠実さが、味の安心感につながっていました。

第二に、毎年メニューを総入れ替えするストイックな姿勢です。「覚えてきた頃に全部メニューを変えます。ドMなんですよね」と笑う陽平さん。お客さんを飽きさせないためだけでなく、自分たちもマンネリ化しないための挑戦でした。80万円のジェラートマシンを購入してレシピまで開発したのに、忙しすぎて一度も使わず手放した……なんてエピソードも、妥協を許さない性格の裏返しです。

第三に、三世代に愛される温かさです。70〜80代のおばあちゃんから小さな子どもまで、家族三世代で訪れる光景が日常だったといいます。土日は県外ナンバーの車も多く、ランチタイムには駐車場が満車になるほどの賑わい。テレビ出演も相次ぐ人気ぶりでした。それでも気さくで明るいご夫婦の人柄が、お店全体を居心地の良い空間にしていたのです。

ちわわん
ちわわん

清水さんご夫婦の料理に対する想いは終わりがないんですね。そのストイックさが一度食べたら虜になってしまう理由ですね。

「一旦閉店」に込めた清水夫妻の前向きな決断

そして、いよいよ本題です。2026年7月26日、蘭和は創業50周年という節目とともに、その営業に一区切りをつけました。

大切なのは、これが後ろ向きな「廃業」ではないということ。ご夫婦自身の言葉によれば、今回の閉店は「これからは自分の人生ややりたいことを大切にするためのポジティブなおやすみ」なのだそうです。二人三脚で走り続けた日々を経て、酷使してきた体をいたわり、自分たちの時間を取り戻すための前向きな決断——そう聞くと、寂しさの中にもどこか清々しさを感じます。

閉店発表の翌日、豪雨の中でも駐車場が満車になったといいます。それだけこの場所が、街の人々に深く愛されてきた証でしょう。そして嬉しいことに、「来年以降は月に数回でも営業できたら」という意向も語られています。現時点ではあくまで未定ですが、蘭和の物語は完全には終わっていないのかもしれません。だからこそ、この記事のタイトルも「閉店」ではなく「一旦閉店」としました。

行けなかった私にできるのは、いつか訪れるかもしれない「再開」の日を楽しみに待つこと。そしてもし不定期営業が実現したら、真っ先に駆けつけて、あのペスカトーレの包み焼きとあまおうタルトを味わうことです。TVの取材では、夜営業だけとか、お弁当の日も挑戦してみたいと語られていました。

長い間、田川の街に美味しい幸せを届け続けてくださった清水ご夫妻、そして先代のお父様。本当にお疲れさまでした。そして、素敵なお店を作ってくださって、ありがとうございました。少し休んで、また元気な姿を見せてくれる日を、心から応援しています。

店舗情報(Benvenuto 蘭和/らんか)

店名:Benvenuto 蘭和(らんか)〜capitolo due〜
住所:福岡県田川市川宮712-1(国道201号線沿い)
電話:0947-45-0188
駐車場:あり
Instagram:@benvenuto_ranka
状況:2026年7月26日をもって一旦閉店(今後の不定期営業は未定)

※本記事の内容は各種報道・取材記事および公式SNSをもとにまとめたものです。メニュー・価格・営業状況は時期により変動します。再開情報を含む最新の状況は、必ず公式Instagram(@benvenuto_ranka)でご確認ください。


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