40代から「定年」を考えるべき?小泉発言はなぜ誤解さたの?

 自民党総裁戦中の小泉進次郎氏が2018年に「定年は40歳にすべき」「年金は80歳から」という発言をしたと、再拡散され、SNS上で大きな話題なっています。

しかし、その発言は、一部を切り取られているため、「定年40歳 年金80歳」だけが一人歩きしています。

確かに、小泉進次郎議員といえば、「セクシー」発言に象徴されているように、抽象すぎる表現で「ポエム」的発言と揶揄されてきました。

ここ最近はコメ対策で、備蓄米の迅速な放出を実行した小泉進次郎氏です。

でもなぜ今、7年前の発言が誤解され、再拡散されたのか?その謎を探ってみたいと思います。

この記事でわかること👀

 ☝️「40歳定年」発言の真意と誤解を招いたわけは?
 ☝️実は「ポエム」発言だけじゃない?実績を検証
 ☝️なぜ小泉発言は誤解を生むのか?

「40歳定年」発言の真意と誤解を招いたわけは?

発言の真意は?

「40歳定年」発言は、2018年に自民党の会合で、小泉氏が座長を務める「人生100年時代戦略本部」の議論の中で行われました。

その議論な中で、小泉議員が人生100年時代における働き方やキャリアのあり方について発言したものです。

発言の内容①終身雇用制度の終焉
 終身雇用を前提に、一つの会社に定年まで居続けるという時代は、もう終わりを告げている。40歳くらいになったら、自分のキャリアを見直すタイミングがあるではないか。

発言の内容②複数のキャリアパス
 40歳で会社を辞めるという意味ではなく、40歳で一度キャリアをリセットし、転職したり、起業したり、あるいは大学で学びなおしたりする。そうした複数のキャリアを歩むことが、当たり前の社会になるべきだ。

発言の内容③具体例
 40歳で歌手を引退した安室奈美恵さんや、アメリカの元大統領バラク・オバマ氏が大統領職を退き、社会活動や執筆活動に取り組んでいることを例に挙げました。

発言の内容④年金制度との関連性
 高齢化が進むなかで、働き方が多様化していくことを踏まえ、年金受給開始の年齢を上限の70歳から80歳に引き上げる選択肢を提示し、「40歳定年」という概念も、こうした新しい働き方と年金制度とが連動する社会を構想する上での発言でした。

誤解されたわけ

センセーショナルな言葉の切り取られ方
 「40歳定年」という言葉は、本来の意味(キャリアの再構築)とはかけ離れて、「40歳で仕事を辞めなければならない」、とか「40歳以降は雇ってもらえない」などといったネガティブな意味で受けたられました。

年金問題との結びつき
 小泉議員は、年金制度改革に関する議論の中で、人生100年時代を見据えて、個 人の選択肢を広げるために、年金の受給開始年齢の上限を80歳まで広げる可能性を示唆しました。
 この「年金80歳」という発言と「定年40歳」という言葉が結びつき、「40歳で仕事を辞めて、80歳まで年金がもらえない」といった誤った解釈が広がり、今回の炎上となったのです。

実は「ポエム」発言だけじゃない?

小泉進次郎氏は、「セクシー」発言や「40歳定年」で炎上しているだけで、
何もしていないのでしょうか?

小泉氏は、主に閣僚や党の要職を務めるなかで、社会課題への新たなアプローチを試みています。

これまでの実績を、簡単にまとめてみました。

環境大臣としての実績(2019年〜2021年)

レジ袋有料化の義務化

 プラスチックごみ問題への対策として、コンビニエンスストアやスーパーなどでのレジ袋有料化を義務付けました。これは国民の環境意識を高めるきっかけになりました。

「脱炭素」への取り組み

 2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を法律に明記し、国際社会に向けて日本の目標を明確にしました。

 その他に、再生可能エネルギーの推進、プラスチック新法の成立などがあります。

自民党農林部会長としての実績(2015年〜)

農協改革の推進

 農業協同組合(JA)の組織改革に取り組み、農家の所得向上につながるよう、経営の効率化や自由化を促しました。

輸出促進への貢献

 日本の農産物・食品の輸出を拡大するため、「GFP(グローバル・ファーマーズ・プロジェクト)」を立ち上げ、生産者や事業者の輸出支援を強化しました。

農林水産大臣(2025年5月〜

 江藤農林水産大臣が「米を買ったことがない」発言で、退くことになり、小泉氏が後任として起用されました。

 喫緊の課題として、コメ問題に取り掛かりました。

備蓄米の迅速な放出

   コメ価格が高騰し、消費者の負担を迅速に軽減するために、備蓄米を市場に放出しました。これまでの硬直したコメ流通の仕組みを、消費者の利益優先を考えた方向へ変えようとしました。

統計の見直し

 コメの作況指数などm農林水産省の統計が現場の実態を反映していないという指摘に対し、抜本的な見直しを表明しました。より正確な需給予測に基づいた政策立案を目指す姿勢を示しました。

 

市場原理の導入

 これまでの減反政策や補助金に依存した農業から脱却し、市場原理に基づいた効率的な農業を目指す姿勢は、一部の専門家から評価されました。備蓄米の放出方法を随意契約に変更し、迅速に消費者の手に届くようにしたことも、市場の効率化を重視する姿勢の表れと見られています。

 小泉氏のコメ対策は、これまでの農業政策の「岩盤」を打ち破り、消費者の利益や市場の効率化を優先しようとする意欲的な試みは評価されています。

 しかし、その一方で、発言の言葉選びや、現場の農家や専門家からは批判的な見方もあります。結果的に、小泉氏によって、日本の農業が抱える構造的な問題が浮き彫りになったとも言えます。

なぜ小泉発言は誤解を生むのか?

 今回の「40歳定年」発言がなぜ誤解されたのか?

 小泉氏が40代でキャリアチェンジを考え、多様な選択ができる社会でありたいと伝えたかったところに、「定年」という言葉を使ったことに原因があったと思います。

 「定年」という言葉が持つイメージを深く考えずに使用してしまったのは、やはり言葉選びが上手ではない気がします。

 発言の前後を知らずに「40歳で定年」を聞いた人は、「40歳で仕事ができなくなるの?」「雇用されないの?」と、不安を仰いでしまう結果となっていましました。

 小泉氏の若く、勢いのなる姿勢には期待を持てますが、少し危なっかしさを感じてしまうのは、否めません。

 閣僚として初めて男性で育児休暇を取得したことは、とても新鮮で、働く夫婦にとって親近感を感じさせるものだったはずです。

 せっかく実績があっても、評価されるどころか批判されるばかりなのは、なんだかもったいないですね。

まとめ

 ☝️「40歳定年」発言の真意は、キャリアチェンジと多様な働き方を提案したかった。
 ☝️実は「ポエム」発言だけが目に入ってしまうけど、仕事もしている。
 ☝️小泉氏は、言葉のインパクトを考えずに使ってしまうため、誤解を生んでしまう。

 総裁選候補として忙しい小泉氏。ちょっと危なっかしい発言もありますが、真意が伝わるように言葉を選ぶことで、本来の意図が伝わる発言ができれば、かなり評価が変わってくるのではないでしょうか。

 最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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